【横尾 忠則】いやいやながら蕭白を描く画家|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2019年12月30日 / 新聞掲載日:2020年1月3日(第3321号)

いやいやながら蕭白を描く画家

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三宅デザイン事務所にて三宅一生さんと
2019.12.17
 木版画のコンポジションの水谷有木子さんと彫師の久保田憲一さん来訪。2年がかりで彫ってもらっている10種類の木版画が完成。さらに新たに5点追加する。発表は来夏。

デヴィッド・ボウイの肖像画1点描く。カルティエから依頼されているのも10点あるが、制作は来春になる。

松竹映画のプロデューサー、深澤、濱田、房さん来訪。

相変らず歯ジクジク。

図書刊行会の清水さんより『いやいやながらルパンを生み出した作家』の書評の反響が大きく注文殺到と電話。

マリー・ラフォレ、アンヌ・ヴィアゼムスキーに続いてヌーベルバーグの女優アンナ・カリーナも死去。
2019.12.18
 とうとう我慢できず歯医者へ。虫歯にボコボコ穴が開いていて、そこを整理して、穴に薬を埋めて、最後に蓋をするという手術だったようだ。治療の途中から三宅一生さんに会いに行く。2年振り(もっと?)だったようだ。変りなく元気だった。イッセイミヤケのオフィスを見学。上階の窓からの借景が素晴しい。間借りして絵が描きたくなった。帰路、再び歯医者で治療完了。
2019.12.19
 舌が痛かったが、蜂蜜をなめたら痛みとれる。

NHK大河ドラマのプロデューサー岡本伸三さんが中村勘九郎さんと阿部サダヲさんからポスターにサインを貰ったと言って持って来られる。また「いだてん」のロゴは外国人にも三脚卍としてすぐ理解されたと報告。中にはナチのハーケンクロイツを暗示するという意見もあったそうだ。

夜、朝日新聞の書評委員会の忘年会だったが、歯の手術のあと難聴で聴こえないのは勿論、しゃべれないので欠席する。
2019.12.20
 あと10日で今年も終り。老齢時間は極端に短い。

かつて個展をしたことのあるドイツのハンブルク美術工芸美術館がコレクションしている作品でポスターの歴史を回顧する展覧会「ザ・ポスター」展に6点出品という報告あり。

やはりドイツのルートヴィヒ財団近代美術館のコレクションの作品を色々と活用したいのでという許可の依頼。
2019.12.21
 〈マラソンに参加。トラックを何周も走る。45人中20位だった〉という夢。

〈チャップリンがやってきて、竹のステッキを振り廻しながら演技を見せてくれる〉夢。

『週刊ポスト』の内山さんと小説家の岸川真さん来訪。「男はつらいよ お帰り 寅さん」がぼくの発想によることに関する取材に。
2019.12.22
 昨夜は久し振りに不眠。これから描く新作の構想の妄想が原因。来春公開の「古典×現代2020」展(国立新美術館)で蕭白をモチーフにした過去の作品と新作を加えた計7点出品の予定。蕭白のモチーフの寒山拾得を主題にした新作を描く。だけど、やっぱり絵を描くのに飽きてしまっているので、いやいやながらルパンを生み出したルブランじゃないけれど、いやいや描く。いやいや描いた絵はどんな絵になるのだろうかという興味で描いているようなものだ。いやいやの中で自我はどのような働きをするのか、それを見てみたい。気持だけではなく躰もいやいや描くので、なんとも変な絵になる。頭を使って変な絵を描こうとしなくっても、気分と躰が勝手にいやいや描いてくれるから努力する必要がない。老齢になると欲が自然に消えていくので、やっぱり画家は長生きした方が、変った絵を描かせてくれるので、喜ぶべきかも知れない。
2019.12.23
 神戸屋の近くに住む神津善行さんと神戸屋でお茶をする。美空ひばりが死後、新曲を発表したそうだ。彼女の音声などのデータを集めて、本人そっくりの歌が簡単にできるそーだ。誰か健康な人の耳を自分に移植して聴こえるようにならないかな。

今日は冬至で一年で一番短い日だ。この日記を書いている時点で4時だけれど外はすでに薄暗く鬱陶しい。ここまで書いた時、マッサージ師の萩原さんが「雨が降ってきたので車でピックアップして、成城整体院へ行きましょう」という電話をくれる。

マッサージのあと、自宅で全国高校駅伝のビデオを観る。今年もまた郷里の西脇工高が県代表に選ばれている。確か全国での優勝回数が一番多いはず。だが今年は一区で失速。結局24位。21日見たぼくの夢の20位より下位とは情けない。倉敷と仙台がトラックでのデッドヒート。仙台が優勝するが久し振りに見せ場を作ってくれた。

アムステルダムのドキュメント作家がドキュメント作品を撮りたいといって来年早々来日するが、テスト作品を制作したといって送ってくる。(よこお・ただのり=美術家)
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