「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 / 7609(光文社)経済学を家族の幸せに活かす  結婚、出産、子育て、科学的研究の成果を紹介|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2020年1月4日 / 新聞掲載日:2020年1月3日(第3321号)

経済学を家族の幸せに活かす
結婚、出産、子育て、科学的研究の成果を紹介

「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実
著 者:山口 慎太郎
出版社:光文社
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「帝王切開なんてダメ、あんなの本当のお産じゃない。落ち着きのない子に育ちますよ。」
「赤ちゃんには母乳が一番。お母さんの愛情を受けて育つから、頭も良くなるんだよ。」
「子どもが3歳になるまでは、お母さんが付きっきりで子育てしないとダメ。昔から、三つ子の魂百までっていうでしょう。」

どのように出産を迎え、子育てをすればいいのか日々悩んでいる母親、父親の耳には様々な意見やアドバイスが飛び込んできます。こうしたアドバイスをしてくれる人の多くは、相手のためになると思っていますし、自身や周囲の人がそれでうまくいったという確信もあります。

確かに、身近な人のエピソードや口コミには独特の説得力がありますが、これらは本当にあてにしてよいのでしょうか。実は、近年の経済学の研究は、ここに挙げたアドバイスがすべて間違いであることを示しています。

本書は結婚、出産、子育てにまつわる事柄について、経済学をはじめとしたさまざまな科学的研究の成果を紹介します。たとえば、保育園に通うことで、子どもが知能面でも情緒面でも健やかに発達するだけでなく、母親の幸福度までが高まることが明らかにされています。

子どもが生まれたら、育休を取ることで仕事と子育ての両立を目指す母親も少なくありませんが、ちょうどいい育休の長さは1年ぐらいであり、3年にも渡るような長期の育休はキャリアにとってマイナスになるのみならず、子どもの発達にとっても好ましくないことがわかっています。子どもの発達には、家族以外の大人や子どもと触れ合うことが、とりわけ言語面の発達に重要だからです。

そして、育休を取るのは母親に限りません。これからの時代の父親たちは育休を取るようになると見込まれていますが、たとえ1ヶ月の育休でも、その後のライフスタイルが大きく変わり、家事や子育てに積極的な「イクメン」化が進むことがわかってきています。

こうした知見は、実社会から得られたデータを分析することによって得られたものです。国勢調査のような大規模な公的調査はもちろん、社会実験から得られたデータや、恋愛と結婚のためのマッチングサイトの利用者データなども分析に活かされています。データ分析によって、個人の体験談の寄せ集めなど比較にならないほど信頼性の高い知見が得られるようになるのです。

経済学というとお金にまつわる学問だから、結婚、出産、子育てはもとより、家族の幸せとは関係ないのではないかと思われるかもしれませんが、決してそんな事はありません。経済学は、人々がなぜ・どのように意思決定し、行動に移すのかについて考える学問ですから、そこで得られた知識を活かすことで、家族の幸せにより近づくことが出来るのです。経済学研究の最先端に触れることで、ぜひそのエッセンスをご家族とあなた自身の幸せに活かしてください。
この記事の中でご紹介した本
「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実/光文社
「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実
著 者:山口 慎太郎
出版社:光文社
以下のオンライン書店でご購入できます
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