ミステリーで読む戦後史 書評|古橋 信孝(平凡社)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2020年1月4日 / 新聞掲載日:2020年1月3日(第3321号)

ミステリーは戦後社会をどう捉えてきたのか

ミステリーで読む戦後史
著 者:古橋 信孝
出版社:平凡社
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 敗戦後の復興の光と影のなかで、松本清張は『点と線』『ゼロの焦点』を書き、爆発的に読者層を広げ、推理小説は庶民の文学として定着していきます。さらに、社会派という新しい流れをつくり出しました。また、高度成長期へと続く時代のなかで、集団就職や出世競争を書いた『孤独なアスファルト』(藤村正太)『人喰い』(笹沢左保)、工場排水などによる公害や騒音公害を告発する『海の牙』(水上勉)『動脈列島』(清水一行)などの作品が生み出されていきます。さらに、戦後の価値観全体への違和が、60年代後半の全国学園闘争、全共闘運動へと繋がっていき、『人間の証明』(森村誠一)、『ぼくらの時代』(栗本薫)、『蒸発』(夏樹静子)などが書かれます。そして80年代以降、ミステリー小説は、新たな世代の価値観のもとに『アリスの国の殺人』(辻真先)、『カディスの赤い星』(逢坂剛)、『絆』(小杉健治)、『魔術はささやく』(宮部みゆき)などの作品が、その時代の抱えた問題をあらわにしてきました。

ミステリー小説は謎解きが終われば、それで一応の役目は終わりとなります。しかし、歴史のなかに位置づけることで、時代が抱えてきた問題が鮮明に浮かび上がってくるのです。

はたして、ミステリー小説は戦後社会をどう捉えてきたのでしょうか。まったく新しい読み方で、戦後から2010年代までを、それぞれ10年ごとに振り返ります。

(平凡社新書編集部)
この記事の中でご紹介した本
ミステリーで読む戦後史/平凡社
ミステリーで読む戦後史
著 者:古橋 信孝
出版社:平凡社
「ミステリーで読む戦後史」は以下からご購入できます
「ミステリーで読む戦後史」出版社のホームページはこちら
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