民藝の日本 書評|日本民藝館(筑摩書房 )|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2020年1月10日 / 新聞掲載日:2019年11月29日(第3317号)

民藝の日本  柳宗悦と『手仕事の日本』を旅する

民藝の日本
監修者:日本民藝館
出版社:筑摩書房 
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民藝の日本(日本民藝館)筑摩書房 
民藝の日本
日本民藝館
筑摩書房 
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本書は,日本民藝館創設80周年を記念し開催された巡回展「民藝の日本-柳宗悦と『手仕事の日本』を旅する-」の公式図録である。

柳宗悦は,人々が日常に用いる雑器の中にこそ非凡な美が見いだせるという「民藝」の概念を提唱し,1936年東京・駒場に自ら基本設計した日本民藝館を創設した。この『民藝の日本』には,日本民藝館を中心とする各地民芸館が所蔵する,新古民芸品の逸品約150点が紹介されている。

柳は民藝の概念を提唱して以降,約20年にわたって全国津々浦々を調査のため訪ね歩き,独自の審美眼で蒐集を続け,焼物,染物,織物,塗物,手漉和紙,家具,藁細工,金物,郷土玩具など800点以上を『手仕事の日本』(靖文社 1948)で取り上げ紹介している。柳以前には誰も注目することのなかった雑器たちが,ただの雑器から,尊ぶべき手仕事として美を見いだされていった。このことは,歩み寄る西洋化・近代化の波に少しは対抗する勢力となったのだろうか。

サブタイトルの「柳宗悦と『手仕事の日本』を旅する」を具現化するように,北海道のアイヌの小刀からはじまり,南下するような順に作品を紹介している。詳細な解説を読みながら見すすめていくと,東日本,中日本,西日本と辿り,沖縄までを旅しながら民藝をじっくり味わったような疑似体験ができる。名もない作家の名もない作品であっても,一つ一つをゆるがせにせず,丁寧に作っていった職人たちの心意気をありありと感じることができる。最後のページを閉じたところで感じたのは,良質な展覧会を観たような大きな満足感であった。この一冊で,柳らが情熱をかけて蒐集し世に広めていった“民藝”の真髄に触れることができるのである。

「民藝」ってなんだろうと興味を持った人に,日本民藝館に行ってみたいけど遠くて行けないという人に,ぜひともおすすめしたい美しい一冊だ。
この記事の中でご紹介した本
民藝の日本/筑摩書房 
民藝の日本
監修者:日本民藝館
出版社:筑摩書房 
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