花田清輝著『アヴァンギャルド芸術』 芸術の方法論を明確に示す――立派なアヴァンギャルド作品 評者:岡本太郎 「読書タイムズ」1954(昭和29)年11月5日号|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2020年1月12日 / 新聞掲載日:-0001年11月30日(第117号)

花田清輝著『アヴァンギャルド芸術』
芸術の方法論を明確に示す――立派なアヴァンギャルド作品
評者:岡本太郎 「読書タイムズ」1954(昭和29)年11月5日号

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これはアヴァンギャルド芸術の解説書ではない。今日の芸術の方向を明確に示す方法論である。そして同時にそれ自体が立派なアヴァンギャルド作品になっている。

芸術と論理という、至難な両極の矛盾にいどむことがアヴァンギャルド芸術家の課題であるが彼は一貫してその解明に体当りしている。巧妙な弁証法はユーモア、サタイア、アイロニーを目まぐるしく織り込んで、読者をひきずり回す。まさにユニークな才能である。

戦後、間もない頃であった。偶然の機会に『錯乱の論理』という彼の評論集を読んで、私は日本にもこんなすぢの通った、頭の良い男がいるかと驚嘆した。

ながいパリ生活の間に、尖鋭な芸術運動の渦中で私自身がぶつかって来た課題、そして戦後の現実に直面して、更に新しく発展させなければならない問題、すべてを既に、小面憎いほど鮮やかにとりあげているのである。

私は人間関係としてではなく、芸術の問題を中心としてつきあえる相手を得たのである。以来最大の興味と関心をもって彼の仕事を見まもって来た。

『アヴァンギャルド芸術』はここ数年間のエッセイを集めたものであるが、文学も絵画も映画も、その他あらゆるジャンルの芸術が技術的なディテールを抽象すればすべて同一のアヴァンギャルドの方法論によって貫かれていることを証明している。(筆者は画家)(未来社刊・三五〇円)
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