木村元彦著『13坪の本屋の奇跡「闘い、そしてつながる」隆祥館書店の70年』(ころから) 本屋を潰すな! 本屋親子二代の闘い 刊行記念対談=木村元彦(ジャーナリスト)・黒木重昭(㈱読書人代表取締役社長)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2020年1月14日 / 新聞掲載日:2020年1月10日(第3322号)

木村元彦著『13坪の本屋の奇跡「闘い、そしてつながる」隆祥館書店の70年』(ころから)
本屋を潰すな! 本屋親子二代の闘い
刊行記念対談=木村元彦(ジャーナリスト)・黒木重昭(㈱読書人代表取締役社長)

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いま、町の本屋が次々に消えている。本が売れない時代と言われて久しいが、〝本当に本が売れない〟のだろうか。大阪にあるわずか13坪の個人経営の店で驚異的な数字を叩き出す書店がある。初版6千部のノンフィクション作品のおよそ1割、5百冊を売り切る。別の本では、全国1千坪超の並みいるメガ書店を押さえ、売り上げ第1位を何週にも渡ってキープする。大阪・谷六で創業70周年を迎えた「隆祥館書店」の〝奇跡〟はこれだけに留まらない。2011年からスタートし、今では同店の代名詞ともなった「作家と読者の集い」は、毎月平均2・5回、200回以上開催し続け、毎回参加者の熱気で満ち溢れる。そんな〝奇跡〟の裏側には、親子二代にわたる出版業界との闘いがあった――。このたび刊行された『13坪の本屋の奇跡 「闘い、そしてつながる」隆祥館書店の70年』(ころから)は、気鋭のジャーナリスト木村元彦が創業70年の町の本屋の歴史と親子二代の「闘い」を描いた意欲作。町の本屋とそこで生きる家族の目を通して出版業界はどう見えるのか、自らの足元でもある出版業界のタブーに切り込んだ渾身の一冊である。本書の刊行を記念して、著者の木村元彦氏と弊社代表取締役社長の黒木重昭による対談を行なった。 (編集部)


■2019年1月24日開催
木村元彦著『13坪の本屋の奇跡』(ころから)刊行記念トークイベント
第1回
■町の本屋はいま

木村 元彦氏
――先行発売を記念して、2019年11月16日に大阪・隆祥館書店で開催された発刊記念イベント(登壇者:木村元彦、黒木重昭、木瀬貴吉/司会:二村知子)は大変な盛況だったと伺いました。
木村 
 満員で、参加者の反応が非常に良かったです。この本を読むまで、書かれているような出版業界、書店の現状は知らなかったと多くの参加者が言っていました。この本自体は、本屋二代の家族の物語でありながら、原子力ムラならぬ、出版ムラに対する提言にしようという形で刊行して、僕や黒木さんや出版社ころからの木瀬さんも登壇して話したのですが、出版界の内側にいる人が内情をズバズバ語ってくれたことに重みがありました。
黒木 
 僕たち業界に長くいる者には書店さんに対する見計らい配本だとか、そういうことはよく分かっていることですが、一般の人たちにさらに説明しました。すると、会場中から「へーっ」という声が上がって。
木村 
 イベント後に隆祥館書店さんに聞いた話ですが、この翌々日、イベントに参加したお客さんが来店されたそうなんです。そのお客さんは何年か前に、注文した本がずっと入らなくて店にすごく怒ったことがあると。でもイベントで話を聞きこの本を読んで、本が入らないのはそういうことだったのかと理由が分かって、「今日は謝りに来ました」と言われたそうです。本来は業界内のことなんてお客さんにとってはどうでもいいことのはずですよね。でも、わざわざ来てくれたこと自体がすごく嬉しいことで、町の小さな書店に対する思いやりも生まれた。本屋さんも地域のためにやっているし、お客さんも地域の書店さんを愛している。やっぱり理不尽な制度をそのままにして町の書店さんを廃業に追い込んではいけないと思いました。
黒木 
 書店が潰れている実績を見るとすごいんです。例えば書店が全国的に一番多かった時代は1986(昭和61)年頃で、全国に書店さんが2万2000店から2万3000店くらいあったはずです。それが令和元年の今年あたりだと大体8000店から9000店、1万店を切るくらいにまでなっています。最盛期には日書連(日本書店商業組合連合会)の加盟店は1万2935店あったのですが、それが今、加盟店は3063店にまで減っている。(日書連調べ2019年10月現在) 
木村 
 最盛期の3分の1以下ということですね。
黒木 
 ということは日書連という組織が業界内に声を上げようとしても声になり難い。これから業界を改革していこうというときに日書連もパワーになり得ないのではないか。なおかつ読者と本の出会いの場も狭まっているということになる。木村さんはこの本でそういうところにメスを入れたということですね。
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この記事の中でご紹介した本
13坪の本屋の奇跡「闘い、そしてつながる」隆祥館書店の70年/ころから株式会社
13坪の本屋の奇跡「闘い、そしてつながる」隆祥館書店の70年
著 者:木村 元彦
出版社:ころから株式会社
以下のオンライン書店でご購入できます
「13坪の本屋の奇跡「闘い、そしてつながる」隆祥館書店の70年」出版社のホームページはこちら
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