田原総一朗の取材ノート「ソレイマニ司令官の爆殺」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2020年1月20日 / 新聞掲載日:2020年1月17日(第3322号)

ソレイマニ司令官の爆殺

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一月三日に、アメリカはイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を爆殺した。

ソレイマニ氏は、イラン国民から英雄視されていて、ソレイマニ殺害は、何度か選択肢としては出ていたのだが、そのたびにイランを刺激しすぎる、として否定されてきた。戦争になる恐れがある、というわけだ。ところが今回、トランプ大統領はそれをやってのけた。

NATOの国々は、危険きわまりない愚策だ、と強く批判した。そして八日、イランはイラク西部にある、米軍のアサド空軍基地と北部アルビルの基地を十数発の弾道ミサイルで攻撃した。ソレイマニ氏を殺害されたことへの報復攻撃である。

私たちは、当然ながらアメリカは、それに対する報復攻撃を行ない、アメリカとイランとの関係は、危険きわまりなくなる、と心配した。

ところが、その後、トランプ大統領は、何と「イランに対する経済制裁は強化する」とはいったが、「軍事力行使は望まない」と表明した。報復攻撃はしない、というわけだ。

そして、その後わかったのだが、実はイランは弾道ミサイルによる攻撃をする前に、そのことをイラク政府に知らせ、当然ながら、イラク政府はそのことを米軍に伝えていて、米軍はミサイル攻撃されることを知りながら、事前にイランのミサイル基地の攻撃をせず、イランの報復攻撃を、いわば、おとなしく受けた、ということのようだ。

そして、イランは、米軍に損失を与えないように慎重な攻撃を行なった、ということのようである。

アメリカもイランも戦争を嫌がっているのはよくわかるが、このデキレースのような両国のやり方が理解できない。

そもそも、アメリカは、なぜ、これまで避けてきたソレイマニ司令官を殺害したのか。

それに対して、イラン政府が、戦争を避けるために、かたちだけの報復攻撃をした、というのはわからないではないが、司令官を殺害された革命防衛隊は、それで納得できるのか。そして納得できるようならば、そんな存在は革命防衛隊ではない。もしかすると、イラン政府にとっても、革命防衛隊にとっても、ソレイマニ氏は厄介な存在だった、ということなのだろうか。(たはら・そういちろう=ジャーナリスト)
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