【横尾 忠則】画家にもコーチがいればいいのに。新作、描き出したらどんどん走る!!|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2020年1月20日 / 新聞掲載日:2020年1月17日(第3322号)

画家にもコーチがいればいいのに。新作、描き出したらどんどん走る!!

このエントリーをはてなブックマークに追加
中村メイコさんとTBSで(撮影・徳永明美)

2020.1.6
 年賀状は毎年年が明けてから書く。いつも来る人は次第に絞られてきた。

神戸で発刊している『神戸っ子』に神戸にまつわる自伝的なエッセイの連載が始まる。神戸に住んだ5年間と、神戸にできた個人美術館にまつわる何かを書いてみようと思う。
2020.1.7 
をテーマにした木版画がやっと10点完成。足かけ3年かかった。何しろ1点彫って刷るだけで2、3ヶ月かかる。10点の他に油彩版画も作りたくなって、原画を3点入稿する。水彩、油彩木版画を水谷さんの画廊(ギャラリーアートコンポジション)で発表するために100号大の油彩絵画を描いてみたくなった。
2020.1.8
 昨夜は眠れず。事が多過ぎるからだろう。極力シンプルにと思うが、急に色んなことが集中し始める。今の生活は予定調和外だ。残る時間が限定されているからかな。

12時半に車が来てTBSラジオへ。中村メイコさんの「ラジオで語る昭和の文化」に出演する。昭和がテーマであるが、メイコさんは「横尾さんと言えば怖いイメージがある」と。ご主人の神津善行さんも同じことをとおっしゃる。メイコさんは吉行淳之介さんも怖いと。どうもこの2人が怖い人らしい。それにしてもラジオとかテレビのように時間に制限されたこのような仕事はニガ手だ。

TBSのあと成城のピカビアでと髭のトリミングをする。
2020.1.9
 ポプラ社の浅井さん、ライターの及川さん来訪。『病の神様』(文春文庫)のリメイク、『病気のご利益』出版の打合せ。『病の神様』を読んだある協会のある医師が、この本には未来の医療問題に関するヒントがあると言って、講演を開いたり、小冊子を出版されている。どーいうことかというと、ぼくが直感とか閃きによって、病気を治してきたというエピソードにヒントがあるというのである。

午後、神戸屋で『神戸っ子』のエッセイを書く。

さあ、次の新作にかかろうと150号のキャンバスを壁に立て掛けるが、何を描いていいのかさっぱり白紙。こーいう時、画家にもコーチがついていて、「こーしろ、あーしろ」と言ってくれれば便利だと思う。とにかく面倒臭がり屋だから困ったものだ。
2020.1.10
 昼は神戸屋で神津さんと。チーズピザとジンジャーエール。神津さんは小食の人だから、パンとコーヒー。

最近は自転車を止めて歩くことにしている。食事が目的ではなく、歩くのが目的である。

神戸の美術館から次回展の出品作品を運送屋さんの車に乗って、取りに来る。

『神戸っ子』のエッセイ3回目を書くが、まだ1回目も掲載されていない。書ける時に書きだめをしておく。『文學界』の小説もすでに2回分書きだめている。
2020.1.11
 今週は一度も夢を見なかった。見る時は毎晩見る。記述に値しない夢が多いけれど。『私の夢日記』(KADOKAWA)や『夢枕』(NHK出版)などの本を出すほど、頻繁に夢を見ていた時代が懐しい。それらの夢はどれも超自然的な内容ばかりだった。それが今では見ても日常の延長のような夢ばかりだ。

今朝の朝日の書評『サブリナ』は改行なしの短いセンテンス。「ラップのリズムで、踊りながら読んでもらいたい」と、一言指示すればよかったかな。
2020.1.12
 〈京都ノ料理屋デ何人モノ中居サン達ニ話シ掛ケラレルガ知人ハ一人ダケ〉という夢。

〈宝塚劇場デ子供ノショーガアルノデ誘ワレルガ、「子供ジャネエ」ト断ル〉夢。

読書用の眼鏡を紛失。インスパイラル成城眼鏡店で新しいのを作る。

新作に戦場を舞台の絵に取りかかる。描き出したら、どんどん走る。

夜、ビデオで全国女子駅伝観る。少しずつルックスがよくなった。(よこお・ただのり=美術家)
このエントリーをはてなブックマークに追加
横尾 忠則 氏の関連記事
日常の向こう側ぼくの内側のその他の記事
日常の向こう側ぼくの内側をもっと見る >
芸術・娯楽 > 美術 > 現代美術関連記事
現代美術の関連記事をもっと見る >