【横尾 忠則】〈原郷の森〉で死者と生者の美術論を対峙|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2020年1月27日 / 新聞掲載日:2020年1月24日(第3324号)

〈原郷の森〉で死者と生者の美術論を対峙

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アトリエにて高橋ユキヒロさんと
2020.1.13
 〈ダダノ評論家ハンス・リヒターガ来日シタ時、アニメ作品〝KISS KISS KISS〟ヲNY大学デ上映シタイノデコピーヲ送ッテ欲シイトイワレタガ、当時、ソノ制作費ヲ持チ合ワセテイナカッタノデ送レナカッタコトヲ詫ビル〉夢を見る。今ではこの作品はアメリカ、ヨーロッパ各地で上映されており、中にはスチュアート・ギラード監督が「パラダイス」でパクっているという噂があちこちで聞かれるようになった。

夕方、頭痛激しく、整体院へ。ケロッと治った。
2020.1.14
 国立新美術館の長尾さんが3月開催の「古典―現代」展で鑑賞者対象の解説のための録音と映像を撮りに。

高橋ユキヒロさんが隣りの樫尾敏雄発明記念館に来たので、「ちょっと寄った」と顔を出す。意外と会ってなくて、ボブ・ディランのコンサートに細野晴臣さんと3人で行った時以来かな? そしてどこかのレストランで高橋夫人を交えて食事をしたっけ。もう10年も前の話になるけどね。
2020.1.15
 『週刊ポスト』の副編の山内さん来訪。例の『週刊ポスト』の記事は日本中を席巻して、えらい反響なので第2弾は? という話だったが、それとは別にぼくの難聴をテーマにした本を企画したい、と。難聴患者が多いので、難聴を前向きに考えているぼくの話を新書にしたいと。

夕方、『文學界』の〈原郷の森〉最終チェックをする。この小説の着地点はまだ不明。大河ドラマみたいに永遠に続きそーだ。あんまり急いで着地点を引き寄せるのではなく、もっと相対化された死者側の美術論と現世の生者の美術論を対峙させたいと思っている。
2020.1.16
 宮本和英さんが新幹線の車中誌「ひととき」に温泉紀行文(宮本)と絵(横尾)の連載に合わせて具体的な温泉地の選択に。

夜、おでんの体調悪し、顔色がよくない。そのせいで動けないのか、動きたくないのか、布団の上でおしっこする。ついでにぼくのリュックも被害こうむる。
2020.1.17
 午前中、少し制作。油絵の乾き悪し。

西脇市岡之山美術館の山崎均さん来訪。何の用かと思ったら、西脇のY字路にまつわる都市伝説的な話をわざわざ東京まで、変った人だ。スケッチブックにデッサンを沢山描いているのを見せられる。そーか、学芸員に負けじと刺激受ける。

講談社の荒井公之さんが画文集「タマ、帰っておいで」の束見本を持参。最終入稿まで10日ばかりあるので、点数増やそう。キャンバス沢山注文する。

去年9月に入院以来、野良クロと、そのパートナーが来なくなって5ヶ月。ところが、その2匹がわが家の裏庭に現れたと妻。なんでも道一本はさんだ家の庭に冷暖房完備の小屋を作ってもらってそこに住んでいたらしい。ところが、そこが飽きたと言って(妻がそう言う)、昔、テリトリーにしていたわが家周辺に戻ってきたというのだ。パートナーのやゝ小さい子は再婚で、初婚の子はわが家に別れの挨拶をしにきた直後死んでしまった。野良の後妻とは仲がよく、どこへ行くのも一緒。どんな相談をするのだろう。時々、単独行動もするが、また一緒になる。どのように連絡をとりながら落ち合うのだろうか。
2020.1.18
 NYから来日中のジョン・ジェイさん、滝沢直己さんと来訪。ジェイさんの日本でのプロジェクトに協力してくれないかの打診。今年は展覧会の制作が集中しているので、さあ?

久し振りでタマの絵を一点描く。画集と展覧会が迫っているけれど、ぎりぎりまで点数を増やしたい。
2020.1.19
 おでんが弱っているのは、野良クロが家に入っておでんを襲ったのでは、と妻。

タマの絵、今日も一点描く。従来のタマの絵とはガラリと変わった。土壇場になると破調を来たす。(よこお・ただのり=美術家)
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