【横尾 忠則】難聴だというのに終末時計の刻む音が聴こえる。|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2020年2月17日 / 新聞掲載日:2020年2月14日(第3327号)

難聴だというのに終末時計の刻む音が聴こえる。

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アトリエにて南雄介さん、藤井亜紀さんと(撮影・徳永明美)
2020.2.3
 〈アンディ・ウォーホルニ似顔絵ヲ描カレル。ジャ、ボクモト、ウォーホルヲ描ク。2人デ相談シテ一層ノコト、ラッピング・トレインニシヨー、ト言ウコトニナル。2人ノ顔ガ、ベタベタ描カレタ汽車ハ、凄ク面白クナッタ〉そんな夢を見る。

テレビをつけると新型ウイルスの波紋報道ばかりで終末時計の刻む音が難聴だというのに聴こえる。

昼はバッテラのテイクアウト。青魚で肉とのバランスを取る。
2020.2.4
 〈阪神淡路大震災以前ノ昔勤メテイタ神戸新聞会館ヲ訪ネル。何故カ人ノ姿ガナイ。1階ノ商店街ミント神戸ニモ人ハイナイ。ゴーストタウンニナッテシマッタノダロウカ〉という夢。

愛知県美術館の南雄介館長と東京都現代美術館の学芸員藤井亜紀さん来訪。この2人は東現美の「森羅万象」展以来の長い交友関係。3人共デヴィッド・ボウイのファンでぼくの誕生日にボウイのTシャツをプレゼントされている。
2020.2.5
 〈死ンダ父トマンチェスターノ街ノ或ル人ヲ訪ネル。「自伝ヲ持ッテ来タカ?」ト聞カレル。「アッ、忘レマシタ、デモ、昨日送ッテキタ中国デ発刊シタ自伝ナラスグ手ニ入レマス」ト言ウト、ソノ人ハ「中国デスカ?」ト、コロナウイルスヲ連想シテ、ヤナ顔ヲシタ〉という夢を見る。

今朝は今季最高の寒波襲来とテレビは言うが、そんなに寒くない。

NHKの深夜放送の取材。2日分しゃべる。下手糞なトークになってしまった。
2020.2.6
 クロムハーツの安岡曜一さん更科水樹さんと武井法香さんら来訪。以前に描いたポスターがアーティスティックなので、もっとグラフィックなものをと再依頼。クロムハーツのファンはロックやファッションの好きな人が多いのでアートよりグラフィックデザインが好みらしい。マッ、ええか。この間貰った皮のベレー帽にカビが生えたのでクリーニングに出すが、カビは残ったまま。赤ちゃんの肌用のオイルで拭き取るとカビはきれいに落ちた。ついでに自分の顔にもつける。
2020.2.7
 歯と歯の間にクッションができたような感じで、物が嚙みにくい。歯医者で診てもらうと歯と歯ぐきの間に汚れがたまるとそうなると言われて、掃除をしてもらう。違和感があるので嚙むのを控えていたが、むしろ使った方がいいそうだ。自分の躰でもわからないことだらけだ。やっぱり放って置かないで、メンテナンスをしっかりした方が、躰は結局長持ちをする。

講談社の新井さんと共同印刷のプリンティングディレクターら三人来訪。色校正のチェックだが、言うことなしで即OK。新井さんの上司の編集長が、『タマ、帰っておいで』を読んで泣かれたそーだ。生前のタマに関する日記を掲載した。書いた本人も読んでみたが泣かなかった。
2020.2.8
 真冬の寒さは格別だが、今日は町内を自転車で走ったが、テレビが「寒い」というほど寒くはない。

描きかけの絵は依然として手つかず。「描け!」というお告げが来るまで描かんぞ。描く時は一気呵成。描かない時間こそ描く時間が来るための大事な時間。
2020.2.9
 湯当りに似た症状。目覚めと同時に葛根湯を飲むと30分で元通り。春のようなうららな天気なので歩いて増田屋へ。→三省堂書店内をぐるりと一巡するだけで買わない→不動坂で富士山を撮る→喜多見不動に参る→野川べりを散歩→野川ビジターセンターのテラスでオロナミンC飲んで、書評用の本に目を通す→神明の森→温室化したアトリエへ。

『週刊朝日』の瀬戸内さんとの往復書簡ネタ切れ、さあ、何を語ろう?

そろそろマッサージだと思ったが施術師が風邪で休業。

満月が出る場所はいつも同じところに出るような気がするが、そんなことないですよね。

2、3日前からおでんは布団の中にもぐって外からは見えないようにして寝るようになったが、何か心変りでもあったのかな?(よこお・ただのり=美術家)
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