伴田良輔・今村規子・山岸吉郎・河西見佳著 懐かしいお菓子 武井武雄の『日本郷土菓子図譜』を味わう|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

新刊
更新日:2020年2月22日 / 新聞掲載日:2020年2月21日(第3328号)

伴田良輔・今村規子・山岸吉郎・河西見佳著
懐かしいお菓子 武井武雄の『日本郷土菓子図譜』を味わう

このエントリーをはてなブックマークに追加
 ようかん、まんじゅう、あられ、あめ、まめがし、もちがし一六九点が和紙に水彩と文章で綴られている。戦時中から高度成長期にかけて、画家・武井武雄が味わったお菓子を『日本郷土菓子図譜』にまとめた。それに、甘党男女四人が「おいしかったなあ」「またたべたいな」「まだあるのかな」「たべてみたいな」と記憶や思いを寄せている。

ふと、脚本家・橋本忍の話を思い出した。黒澤組シナリオライター四人が海辺の町へ、たまたま食い物の話になった。「本当に旨いものとは?」

各人が育ちざかりに食べた料理を語りだした。山梨甲府〈貝の佃煮〉、青森八戸〈鮭の頭の大根おろし煮〉、西播磨〈山椒のバラ寿司〉。そんな中、四〇代の黒澤明は、無心にただひたすら望郷を歌う。強い訛で艶と張りのある絶妙な節まわしの秋田民謡だった。

大きな仕事を成し遂げた人物も、結局人生最後に記憶に残るのは子供のころの思い出。愛された少年少女時代のお菓子の記憶が歌になってきこえてくる。私には香ばしい黒砂糖の香が漂ってきた。詩情を食べる本である。(B5変・一二七頁・一八〇〇円・新潮社) 
この記事の中でご紹介した本
懐かしいお菓子―武井武雄の『日本郷土菓子図譜』を味わう―/新潮社
懐かしいお菓子―武井武雄の『日本郷土菓子図譜』を味わう―
著 者:伴田 良輔、今村 規子、山岸 吉郎、河西 見佳
出版社:新潮社
「懐かしいお菓子―武井武雄の『日本郷土菓子図譜』を味わう―」は以下からご購入できます
「懐かしいお菓子―武井武雄の『日本郷土菓子図譜』を味わう―」出版社のホームページはこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加
新刊のその他の記事
新刊
塗中録
新刊をもっと見る >
人生・生活 > 食・料理関連記事
食・料理の関連記事をもっと見る >