田原総一朗の取材ノート「新型コロナウイルス対策」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2020年3月2日 / 新聞掲載日:2020年2月28日(第3329号)

新型コロナウイルス対策

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いま、テレビのワイドショウは、どの番組も、ほとんどの時間を新型コロナウイルス問題に費している。

本当に、中国の武漢で発生した新型コロナウイルスは、日本を含めて世界中に拡大しつづけて、いつまで、どこまで、拡大しつづけるのか。世界中の人間を不安の渦にまき込んでいる。

そして世界各国から、日本政府の対応についての批判が強まっている。

たしかに、たとえばクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、六九〇人以上の乗員乗客が感染し、三人が死亡した(二月二三日までの厚労省発表)。もっとはやく下船させて、しかるべき病院なり施設に引き取るべきだったのかもしれない。

それに国内で感染経路が掴めない感染者が各地で発生している。どうやら水際対策には失敗したようだ。

そして、二月一六日に首相官邸で開かれた全閣僚が出席する新型コロナウイルス感染症対策本部の会合に、三閣僚が公務以外の理由で欠席していたのである。

森雅子法相は福島県での書道展に、萩生田光一文部科学相は東京都内での消防団関係者の叙勲祝賀会に、そして小泉進次郎環境相は神奈川県横須賀市での後援会の新年会に、それぞれ出席していたのだ。

いずれも、地元選挙区での政治活動で、対策本部の会合には副大臣や政務官を代理出席させていたのである。

新型コロナウイルス対策よりも、自分の選挙区での政治活動を優先させたわけだが、そもそも、日本政府に安全対策なるものがあるのだろうか。

たとえば、二〇一一年三月一一日に、東京電力の福島原発で深刻な事故が発生した。

だが、東京電力は、地元自治体での避難訓練も全くやっていなかったのである。東京電力は、原発事故というものは起きない、と地元自治体に断言していたからだ。そして経産省も、それに同意していた。つまり、日本では原発事故は起きない、ということになっていたのである。太平洋戦争についても、政府や軍にとって、敗戦ということは、ないことになっていたのだ。だから新型コロナウイルスに対しても、その段階での対策は行なわれるが、総合対策というのはないのではないか。(たはら・そういちろう=ジャーナリスト)
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