【横尾 忠則】コロナパニック、☎診察、「冬眠して下さい」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2020年3月9日 / 新聞掲載日:2020年3月6日(第3330号)

コロナパニック、☎診察、「冬眠して下さい」

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クォート・ダービッツエさんとアトリエにて(撮影・徳永明美)
2020.2.24
 朝一番にテレビのコロナウイルスの感染状況で覚醒。欧米の日本に対する批判は「甘い」、「最も危険度の高いのは日本!」と名指しされる。日本の政治があぶり出されているのを政府は人ごとのように、自分達は安全地帯にいるのが、国民の危機感になっているという意識が希薄過ぎる。
2020.2.25
 深夜、テレビで「GLAY 伝説の25年」を観る。デビューの間もなくメンバーが我が家に遊びに来た頃に比べると、歳を取ったものの、現在の方が存在そのものがメッセージになっている。初対面の時はTERUが一番おとなしかったが、この間アトリエに来た時はよく話す人に変身してしまっていて驚いた。躰全体から自信がみなぎっていた。

〈山道ヲ下ッテイルト、足元ニ巨大ナ、オタマジャクシガイタ。全長50センチモアルオタマジャクシハ、アンディ・ウォーホルノ作品トイウカ、彼ガ仕掛ケタ、インスタレーションラシイ〉という夢。

アトリエに来るなり咳が出始める。オランダの映像作家がドキュメントを制作したいと。日本は今、コロナパニックが起っているので、次回の来日にと、インタビューの録音のみで済ます。
2020.2.26
 〈嵐山光三郎サンガ文人画展ニ案内シテクレル。嵐山サンノ自画像ハ素晴シイ。コンナ絵ハドースレバ描ケルノダロウト、シミジミ見入ル。展覧会ノオープニングニ赤瀬川原平サンガ挨拶ヲシタガ、ソノ2日後ニ亡クナッタソーダ。マタ、フランス在住ノ日本人作家ガ、出品後4日目ニ殺サレタソーダ〉という夢を見る。

朝日新聞の大西若人さんから「古典×現代2020」展(国立新美術館)に出品する蕭白をテーマにした作品についての取材あり。

喘息がでているので夜の朝日新聞の書評委員会は欠席。
2020.2.27
 動悸、息切れ、喘息が気になるので国立東京医療センターの鄭先生に電話診察を受ける。検査してもいいが、今は病院は危険度が高いので、控えた方がいいと言われる。睡眠をしっかり取って、体力を落とさないよう、出歩かないようにとサゼッションあり。同病院の角田先生も「冬眠して下さい」と。

関係している3つのイベントが中止になる。
2020.2.28
 愛知県美術館の個展のカタログの文章の評者を決めなければならないそーだ。作家は二十面相、評者は明智小五郎、どう作品を解明されるか、愉しみだが作家はそう簡単に本性を明かさないのが二十面相だ。

未完の作品がアトリエの壁から、こちらを睨みつけているが、描く気が起こらないというか、描けないのである。描いてもイヤイヤしか描けない。そのイヤイヤ描いた絵が、自分ではない絵になればこれはイヤイヤの効用ありで、喜ぶべきことかも知れないが、まあ、やってみるしかないだろう。

去年の年末以来、ご無沙汰している瀬戸内さんに電話をする。「週刊朝日の往復書簡で文通しながら、電話で話すのはなんだか変だわね」。「そーですね、高校生のペンパルみたいですね」。瀬戸内さんは手紙では「オリンピックまでに死ぬわよ」とか、「早く死にたいのよ」と言いながら、「この連載で色々話できるので元気になるわねえ」ともおっしゃる。
2020.2.29
 おでんがまたオシッコをする。その度に、妻は洗濯や何やかやと用が増えてぼやく。タマは優等生だったけれど、おでんは劣等生だ。そのために人間のわれわれが学ばされること多い。ただオシッコの前兆時には、我が家の中を走り廻ることがわかった。それをこちらが予知して、外に放り出すなりの対応を講じるしかない。こーいうことがアートにどう反映するのやら。
2020.3.1
 東京マラソンを朝から観る。メダルこそ獲れなかったが、大迫選手が物凄い面白い展開を演出して日本新記録を樹立した。が、まだまだ世界は遠い。

左足親指を骨折して、5年くらい経つが、一向に痛みが取れず、毎日鈍痛で悩まされていたが、つい4、5日前から痛みが消えていることに気づく。老化の進行に反比例するってこと、あるのかなあ。自然治癒かな? もう少し様子を見よう。(よこお・ただのり=美術家)
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