戸板康二『卓上舞台』(村山書店) 意味深い仲介作業 評者:岡倉士郎 「週刊読書人」1958(昭和33)年6月9日号|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2020年3月8日 / 新聞掲載日:-0001年11月30日(第228号)

戸板康二『卓上舞台』(村山書店)
意味深い仲介作業
評者:岡倉士郎 「週刊読書人」1958(昭和33)年6月9日号

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戸板康二氏著『卓上舞台』が出版された。これは氏の『歌舞伎ダイジェスト』の第二篇に当る。このごろよく上演されている、代表的、歌舞伎狂言の紹介をし、その見所の要点をおさえていって、誌上ながら歌舞伎をたのしむことができる。歌舞伎は舞台芸術の伝統様式として新しくみなおされつつある。が、その認められかたが芸術にたずさわる人であったり、外国人であったり、一部の歌舞伎ファンであったりで、国民的に楽しみつつ育てるようにはなっていないように思われる。それは歌舞伎が文学から離れ、社会的意味内容にずれがあり、外型的な型、様式のみに偏して鑑賞されている上に、型及び様式の約束ごとの多いために、型にささえられた内容と構造(全演出)が伝わってこないことがあるためだと言えよう。国民芸術を育てる上からも、また新しい芸術様式を生むうえからも歌舞伎と今日の人とを結びつける仕事は急務である。戸板氏は気軽に書いたといわれているが、むずかしいあるいは専門的な歌舞伎論や研究ではなく、このような誰でも楽しみながら創る身になってその本質をわかるようにするに実にたくみに書かれている。こういう、仲介作業は大切な仕事であり、意味深いと思う。(おかくら・しろう=演出家)

戸板康二『卓上舞台』(A5判・一九七頁・三二〇円・村山書店)
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