瀧口修造他著『二十世紀芸術―イズムとしての現代美術史』(美術出版社) 現代イズムの終止符 評者:難波田龍起 「週刊読書人」1958(昭和33)年6月9日号|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2020年3月8日 / 新聞掲載日:-0001年11月30日(第228号)

瀧口修造他著『二十世紀芸術―イズムとしての現代美術史』(美術出版社)
現代イズムの終止符
評者:難波田龍起 「週刊読書人」1958(昭和33)年6月9日号

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近代美術を解く鍵は、それぞれの作品が内包するところのイズムの分析にあるのかも知れない。イズムを説明されて、作品を鑑賞すると、たしかにわかりやすいのである。その代り無理に個々の作品をイズムによって分類しすぎてしまうという弊害も起る。のみならず芸術作品は作家個人の造型本能の純粋な所産であって、あえてイズムや理論から生れるものではない。むしろイズムや理論に縛られることは、作家自身の成長を妨げるという考え方もある。しかし、近代美術を全般的に早くのみ込むためには、印象派以後に起って現代にうけつながれているいろいろなイズム、その広汎な二十世紀美術史上のイズムの展開を作品を通じて知っておくことは必要であろう。

本書は、「イズムとしての二十世紀美術」の瀧口修造の序論に始まり、フォービズム(中山公男)、キュビズム(植村鷹千代)、フトゥリズモ(野上素一)、表現主義(針生一郎)、ダダイズム(江原順)、シュルレアリズム(東野芳明)、抽象主義(瀬木慎一)等の明快な解説によって、読者は近代社会における美術の生成と発展の知識を得られると共に、それらのイズムの連関性の中に、実は現代の美術が位置していることを知るのである。そして今日はそれらのイズムに終止符を打たねばならないところにきていることも考えさせられるのだ。色刷七枚、図版は豊富で、選択も適切である。(なんばだ・たつおき=画家)

瀧口修造他著『二十世紀芸術―イズムとしての現代美術史』(A5判・二八〇頁・六八〇円・美術出版社)
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