【横尾 忠則】革命も起こらんでしょう、地球自体がウイルスにかかっている|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2020年3月18日 / 新聞掲載日:2020年3月13日(第3331号)

革命も起こらんでしょう、地球自体がウイルスにかかっている

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制作中のアトリエ風景(撮影・筆者)
2020.3.2
 極寒、雨。アトリエに入って間もなく、風邪の兆候、葛根湯で退治。コロナも死ね!

国書刊行会の清水さんから一昨日の『旅する黒澤明』の書評のお礼の☎あり。注文が来ていると大喜び。
2020.3.3
 〈ハードボイルドノ本ヲ読ンデイタラ、イツノ間ニカ映画ノ場面ニ早変リ。カト思ウト次ノ瞬間、映画ノロケ現場ニ、テレポーテーション。ロケ、ダト思ッタラ、フィクションジャナク、現実場面ニ。銃弾ハ飛ンデクルワ、車ガ突ッ込ンデクルワ、命ノ危険ヲ感ジル〉。あゝ助かった、夢だった。

テレビは何んでお雛様? あゝ、そーか、今日は雛祭なんだ。毎年、玄関に大きいお雛様を飾っていたことをフト思い出すが、30、40年ほど前のことだった。

風もなく、アトリエのベランダに椅子を出して日光浴。免疫力アップでインフルエンザ防御策。コロナより怖いのは持病の喘息と肺炎。手の平を陽に当てると体内にビタミンDが作られる。呼吸器感染の予防に。
2020.3.4
 ☎で鄭先生に問診。咽がヒューヒュー木枯のように2メートル離れても聞こえると言う。

放ったらかしの絵の運命は如何? 未完のまま完成としたいところ。夕方腰の痛みが激しく、アトリエでマッサージしてもらう。
2020.3.5
 〈街ノ中ヲ流レル川ノ中カラ手ヲ引ッパッテモラッテ、這イ上ル。黒澤サンノ『天国ト地獄』ミタイト言ウ人ガイルガ、何ンノコッチャ〉という夢。

〈郷里ノ家ニ向カウ通リデ結婚式ヲ挙ゲテイル。「ドコノ誰ヤ?」ト聞クト、八百屋ノナントカチャンヤ、ト言ウ、デハ、新郎ハ? ト聞クト、演出家デヨク泣ク人ヤ、ト言ウ。「久世サンカ?」、「チガウ」、「服部サンカ?」、「チガウ」、「宮田サンヤロ?」、「チガウ、ドーシテ死ンダ人バッカリノ名ヲ言ウンヤ」〉と言われる夢。

〈ホテルデ、オ化ケノ話ノ本ヲ出シタイト言ウ編集者ト会ウ。ソノテーマで、モー誰カガ本ヲ出スヨ、ト言ウト、「ダメカ!」トガッカリスル編集者、マア食事デモシヨート、レストランニ誘ウガ、オ茶漬ケガ食ベタイトイウ。困ッタ人ダ〉と思う夢。

〈地方カラ家ニ☎ヲシテ、童話ノ挿絵明日渡スヨーニ、母ニ伝エルト、ソノ女ノ編集者ハ、「ヤット念願叶ッテ、コノ仕事ガデキタノデ、ドーシテモ、今晩会イタイ」ト言ッテイルト母ガ言ウ。ガ旅先キヤ、物分カリノ悪イ人ヤナート思ウ〉夢を見る。

〈ボール紙ニ5ミリホドノ丸イ穴ガ空イタ小サイカードデ、2階ノ客席カラ、オペラヲ観テ下サイト、ソノカードヲ渡サレルガ、タダ視界ガ狭クナッタダケデ、何ノ効果モナイ〉という夢を見る。連続5本立ての夢を見て眠った実感なし。

未完に2ヶ月ぶりで筆を入れる。変な絵になる。昨日の腰の痛みケロッと完治。
2020.3.6
 〈自分ノルーツヲ黒板ニ書ケ、ト先生ラシイ人ニ言ワレル。一番ニ書イタ人ハ自分ノ先祖ノ名ト土地名ヲ書ク。ボクハ二番目ニ指名サレル。ボクハ「宇宙・天孫降臨」ト書ク〉。目が覚めてから思う。「ヘェー、そーなのか」と。急に古事記を読んでみたくなる。

昨年の秋冬に続いて、二度目の休養に入っている。
2020.3.7
 日本列島がコロナ地図でどんどん色分けされていく。コロナ菌は政治菌からそのうち人間菌へと感染していく。政治を変えようとしても無理、時代を変えようとしても無理、フランス革命のようなことが起これば変わる? 革命も起こらんでしょう。地球の構造自体がウイルスにかかっている。
2020.3.8
 気候も気分も傘マークの曇天。雨も降ってないのに気づかずに傘差して街へフラリ。ソバ食って帰る。

犬のオシッコみたいに毎日チビチビとちびるように描く。一向に仕上がりません。絵を仕上げるのは画家ではなく、絵が決める。画家は無責任でいい。(よこお・ただのり=美術家)
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