第一六二回 芥川賞・直木賞 贈呈式開催|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2020年3月27日 / 新聞掲載日:2020年3月27日(第3333号)

第一六二回 芥川賞・直木賞 贈呈式開催

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川越宗一氏㊧、古川真人氏
二月二〇日、都内にて第一六二回芥川龍之介賞および直木三十五賞の贈呈式が開催された。芥川賞は古川真人氏の『背高泡立草』(集英社)、直木賞は川越宗一氏の『熱源』(文藝春秋)にそれぞれ贈られた。

最初に芥川賞選考委員を代表し、松浦寿輝氏が祝辞を述べた。

「古川さんは、周囲の声なき声にまで耳を傾けられる、大変耳のいい作家です。聴くとは、優しさであり、古川さんの作品世界には、優しさが沁み通っている。受賞作含め、これまでの四作は島にこだわって書かれています。今後は、長い小説家人生の中で、新しい主題を見つけ、新たな道を切り開いてほしいと思います」。

直木賞の選考委員である角田光代さんの祝辞は以下の通り。

「受賞作は、実在した人物たちに焦点を当てた壮大で豊穣な物語で、タイトル通り熱のある作品です。異なる文化を持ち、異なる言語を話す異なる民族が、違うからこそ生じる差別や搾取に抗い、時には飲み込まれながら、ある時代を作っていく。それが川越さんの小説の核だと思います。その核を大切にしつつ縛られないよう、これからもたくさん書いてください」。

受賞者挨拶で古川氏は、壇上に立つ想いを「背中をどやしつけられ、てんてんと前に進んでしまった結果、ここにまろび出ている気がします」と語った。

「僕をどやしつけたのは、もう死んでしまい、顔を見ることのできないおじいさんやおばあさんです。僕の書く文章を後ろから覗き込み、「もう少し上手く書け」、「そんな風には言わない」と、うるさいことを言ってくる。賞をいただいたからといって、彼らの声が小さくなるわけではありませんし、ますますいろんな人の声を聴かねばならん、と思いを強くしております。また、会場にいる方々からも、どやしつけられたからこそ、生来が怠け者の僕が芥川賞を授賞できた。ですから、これからも僕の背中を叩いてください」。

川越氏は「すごく大きな賞をいただき光栄ですが、僕にとって『熱源』は書き終わった作品です」と述べ、抱負と感謝を口にした。

「次作は、今作よりも必ず面白い作品を書きます。そう無邪気に言える年齢ではありませんが、書かなくてはいけないという覚悟は持っています。僕は歴史小説を書くので、作品の時代に生きた人々がいる。小説で書く以上、虚構や僕なりの創作が入りますが、過去の人たちがいなければ、僕の作品は生まれてこなかった。あらためて、過去生きた人々に感謝しています」。
この記事の中でご紹介した本
熱源/文藝春秋
熱源
著 者:川越 宗一
出版社:文藝春秋
「熱源」は以下からご購入できます
「熱源」出版社のホームページはこちら
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