【横尾 忠則】リバーシブルマスク、手品みたい。女性霊能者の予言?|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2020年3月30日 / 新聞掲載日:2020年3月27日(第3333号)

リバーシブルマスク、手品みたい。女性霊能者の予言?

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20代の頃に作ったマスク(撮影・石元泰博)
2020.3.16
 〈石原裕次郎ガ銀座ノ通リニ面シタ建物デ、「壁ドン」ノポーズデ自前ノ歌ヲ耳元デ歌ッテクレル。難聴デ聴コエナイハズナノニ、ヨク聴コエル〉のは夢だからか?

昨夜は寝つき悪く、途中で睡眠薬飲むが効目なし。

保坂和志さんの奥さんの手製のマスクのプレゼント。リバーシブルになっていて、人前でパッと反転すると違う柄に変るので手品みたい。

ふと風呂で考えた。ぬるま湯の温度を上げて熱くすると、出てから体温が急激に下る。すると睡魔に襲われる。そのタイミングで眠ると不眠解消という技術を忘れていた。
2020.3.17
 昨夜の不眠解消術は大成功。おでんとどっこいどっこいによく眠る。

物忘れが激しいが、夢にまで影響して、見た記憶はあるのに想い出せない。昔は長篇夢ばかりだったのに最近は掌夢ばかりになってしまった。それさえも忘れる。
保坂和志さんの奥さん手製のマスク(撮影・相島大地)
2020.3.18
 3年前にある女性の霊能者が東京五輪は「無し」と一言。その時は天災かテロかな位しか思いつかなかったけど、まさかウイルスとはね。「完全な形」では不可能でしょ。賛成者にはメンツが立つし、反対者には含みのある言い方で、これって中道?
2020.3.19
 〈バチカン宮殿ノ広場ノ群像ノ中ニイル自分ガ、大キククシャミヲシタ。一斉ニ無数ノ目ガ睨ンダ〉というコロナ夢。

〈三島サンノ「ポップコーンノ心霊術」ノ評論ヲ絵画化スル〉という明晰夢を見る。

ツイッターで休養中と書いたからか、お見舞い品が届く。
2020.3.20
 〈ニューヨークノホテルノ部屋ニ入ルナリ、☎ガカカル。ジョン・ネイスンカラ「ジョン・レノンガ死ンダヨ」ト。凄ク驚ク〉夢だけれど、夢の中の自分は別人物? ようわからんけど。

彼岸の入りで妻が巨大な田舎ボタ餅を作った。おふくろの味を二つ食べた。

事務所に何度も☎をするが不在。やっと午後になって祭日だということがわかった。

200号のスクエアのキャンバスに新作を描き始める。三味線を弾く芸者(M・モンロー)に一升瓶を抱えて膝枕をする仏陀の涅槃像と特攻隊員の銅像というケッタイな組み合せの絵だ。
2020.3.21
 桜が満開。わが家の巨木の桜も年々、花の量が減る。野川の桜並木へ。コロナで自粛かと思ったら、意外と人出の多いのに驚く。昨日の絵に桜のひと枝を描き込もうかと思うが、余計なことはしない方がいいだろうと思う。野川のビジターセンターのテラスで缶ココアを飲もうとしたが、缶のプルタブの開け方を忘れて、いじくっている間に壊れてしまった。結局は飲めず。

欧米の飲食店は封鎖されているのに、日本は危機意識がおおらかで、どこも人出が多い。
2020.3.22
 昨日辺りからおでんが急に幼児化現象を起こすようになって、自分ひとりで面白いことを始めた。何があったのだろう。

この2週間、ほとんど人に会っていないような気がする。もしかしたら、この状態こそが本来の時間の過ごし方ではないのかな。忙しくバタバタしているのが普通というのが異常だと思わない神経こそ異常だと、コロナが反省させてくれている、のかな?(よこお・ただのり=美術家)
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