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ともかくスケッチ 第56回
更新日:2017年1月27日 / 新聞掲載日:2017年1月27日(第3174号)

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糸井重里さんのことを「糸井ちゃん」と呼んでいる。糸井さんでも糸井くんでもない「糸井ちゃん」なのだ。何故そうなのかは兎も角として、その糸井ちゃんからあるバーの名刺を頼まれた。「おいしい生活」という名コピーが生まれるちょっと前の話である。

かれこれ40年は経つだろう。四谷三丁目に「ホワイト」という朝までやっているバーがあり、ボクもゴールデン街の帰りに立ち寄って「1杯」という仕上げのバーである。今思うと糸井ちゃんはお酒をあまり飲まないのでボクとそのお店に行く時間帯が違うのだろう、ほとんどお店で会うことはなかった。だからボクがその店を知らないと思っていたらしい。糸井ちゃんからの電話で「髪の毛がチリチリで目はまんまるく……」とホワイトのママ・ミー子さんの顔を克明に語ってくれた。電話口から聞く言葉を絵にしていくと、なんとなんとママさんの顔とそっくりな顔が出現した。改めて糸井ちゃんの言葉での表現力にいたく感銘を受けた憶えがある。

先ほどの「おいしい生活」という西武百貨店の広告コピーが出て、「TOKIO」というジュリー(沢田研二)が歌うメガヒット曲が出た。糸井ちゃんはメディアを問わず「言葉の世界」を縦横無尽に発揮し、跳びまわってきた。

ある時、デジタルの世界に何を見い出したのか「ほぼ日刊イトイ新聞」を創刊した。苦労をされたようだ。「面白いことやってるねぇ」の問いに「トモさん、これは片手間では出来ませんなぁ」と言われたことがある。「やるなぁ」と思っていたら今度は絶滅危惧種と言われている出版の世界にも進出である。いつの間にか本屋さんの棚には「ほぼ日文庫」、「Hobonichibooks」が進出している。
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