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禁色(三島 由紀夫)新潮社
禁色
著 者: 三島 由紀夫みしまゆきお 
出版社:新潮社
ISBN:978-4101050058
940円(税別)
一生を女性に裏切られてきた老作家檜俊輔は、美青年南悠一が女を愛することのできない同性愛者であることを知り、この青年の美貌と肉体美を利用して、恨み深い現実への復讐を企てる。俊輔の計画は、かつて自分を苦しめた女たちを破局に追いつめることに成功するが……。男色を素材にして、心理小説の世界に、〈ルネッサンス的ヘレニズムの理想〉を造型化した異色長編。

タイトロジー
(タイトルを読む)
 美は、これに反して、いつも此岸にある。この世にあり、現前しており、確乎として手に触れることができる。われわれの官能が、それを味わいうるということが、美の前提条件だ。官能はかくて重要だ。それは美をたしかめる。しかし美に到達することは決して出来ない。なぜなら官能による感受が何よりも先にそれへの到達を遮げるから。希臘人が彫刻でもって美を表現したのは、賢明な方法だった。私は小説家だ。近代の発明したもろもろのがらくたのうち、がらくたの最たるものを職業にした男だよ。美を表現するにはもっとも拙劣で低級な職業だとは思わないかね。
 此岸にあって到達すべからざるもの。こう言えば、君にもよく納得がゆくだろう。美とは人間における自然、人間的条件の下に置かれた自然なんだ。人間の中にあって最も深く人間を規制し、人間に反抗するものが美なのだ。精神は、この美のおかげで、片時も安眠できない。(本書679〜680ぺージ)
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