立ちどまらない少女たち
著 者:大串尚代著
出版社:松柏社

立ちどまらない少女たち

〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ



冒頭から『キャンディ・キャンディ』に『若草物語』をはじめとする数々の外国文学の要素が取り込まれていることをとき明かす本書は、文化受容の重要な媒体としての「少女マンガ」の可能性、日本の少女文学と外国文学の接点、翻訳を通した外国文学の受容史と少女文化との密接な関係性が主なテーマです。  オルコット、ストウ、セジウィックといった一九世紀の作家たちの「家庭小説」「感傷小説」と言われるジャンルはアメリカ文学史において注目されない時期が長くありました。かつての学会内にも、こうした作品群を対象とすることや、「サブカルチャー」と分類されることもあるメディアと文学との接点を探るタイプの研究を正統な(?)ものとは見なしづらいというふうな考え方が存在するのを感じることもありましたが、そうした向きの方にも読まず嫌いは勿体ない一冊です。  著者は「少女マンガについて何か語りたいという気持ちを消すことはできなかった。文学同様に、これまで読んできた少女マンガの数々の作品が、わたしの人生を豊かなものにしてくれたことは間違いない」とあとがきに記しています。著者の十五年の歳月をかけた挑戦の中身をご一読頂ければ幸いです。  筆者=松柏社・森 有紀子
四六判・二五九頁・二、七五〇円

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