
平成16(2004)年
2月11日 吉野家が牛丼販売休止へ。
BSE問題で米国産牛肉の輸入が禁止されたため。牛丼から豚丼へ。
★せきしろ=文筆家・自由律俳句俳人。主な著書に『去年ルノアールで』『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』、又吉直樹との共著に『蕎麦湯が来ない』など。一九七〇年生。
Twitter:@sekishiro
せきしろ選
■「何が何やらみんな咲いてゐる」(山頭火)
山頭火の句で「何が何やらみんな咲いてゐる」という句が僕は好きですね。山頭火の句は絶えず動いているイメージがあるんですけど、動きを感じない立ち止まった句です。「よろ〳〵歩いて故郷の方へ」も好きで、動いているようで実は気持ちだけという印象があります。将来自分がこの状態になる気がして、その時また思い出すんだろうなと思います。あとはトンボが出てくるイメージもあります。水が出てくる句も多いですね。(せきしろ)
★やぎもと・もともと=川柳作家・詩人。第57回現代詩手帖賞。著書に『バームクーヘンでわたしは眠った もともとの川柳日記』。一九八二年生。春陽堂書店公式サイトで「もともと予報-ことばの風吹く」連載中。
柳本々々選
■「どうしようもないわたしが歩いてゐる」(山頭火)
僕はいつも表現を考えるときにエネルギーを単位に考えていて、山頭火を読み直して今回思ったのは、自分がすべて失って終わったとしてもまだ文学ってはじめられるということで、山頭火のこの句は今日はじめることの文学というのを手渡してもらえるような、どうしようもないわたしでも文学をはじめられるというところが山頭火を読んで救いを感じるところです。山頭火はゼロからの文学をずっとやっているような人のような気がします。(柳本)