ともに奏でる♪往還する人類学

対談=川瀬慈×奥野克巳

編集室から

 この半年で生活習慣、人との距離感、コミュニケーションの取り方まで、すっかり変化してしまったが、コロナ禍にフィールドに出られぬ人類学者はどうしておられるのかと思ったら、お二人とも自分の内なるフィールドを旅し、深々と思考されているのだった。自分そして他人、動植物やモノ、世界の様々なものと往還し、インプロヴィゼーションの姿勢で、音を奏でることは、学問を超えて、私たちがこの日常の閉された場所に押し込められないためにも必要なのではないか、と思う。そういえば対談の朝、いつも使っているパソコンが立ち上がらず(前日新しいパソコンが支給されたのだ)、私の気持ちが離れたことを察したのかと、ドキリとしたものだった。(S)