史料は小説より奇なり。

対談=鶴間和幸×上田信

編集室から

 過去と現在は繫がっている。普段はあまり意識しないが、お二人の対談を伺いながら改めて実感した。項羽と劉邦の時代から続く慣習があり、明時代から受け継がれる思想がある。司馬遷が悩まされた(かもしれない)歴史記述と人物描写の難しさは、今なお変わらない。数千年前を生きた彼らを身近に感じることができるのは、歴史学が持つ面白さであり魅力である。

 二〇二〇年は、コロナウイルスとともに歴史に刻まれるはずだ。では二〇二一年は、その先はどうなるのか。行く末の分からない緊迫感に覆われる日々だが、秦の始皇帝や朱元璋たちと同じように私たちも歴史の岐路、選択肢の前に立たされているのだろう。中国四千年の歴史の中に答えを探しながら、年末年始をゆっくり過ごしたい。(N)