世界を映す、プリズムの深層へ

往復書簡 吉田喜重×舩橋淳

編集室から

「往復書簡」には、少しロマンティックな響きがある気がする。「映画」にもあるかもしれない。でも吉田喜重監督と舩橋淳監督との往復書簡は、ハラハラするような鋭い真剣な対話だった。映画とは虚構だ、と言い切って、映画を見る人が受け取るもの全ての責任を負って、とことん自由に創作しようとするのか、ぎりぎりのところで越えてはならない倫理と節度を保ちながら、虚構をいかに現実に肉薄させていくのか。表現する覚悟の重さ――次号につづきます。(S)