今を生き抜くために、アソシエーションを

柄谷行人ロングインタビュー

編集室から

 NAMの運動が始まったとき、会員ではなかったが、結成の総会やいくつかの勉強会に参加した。駒場でのシンポジウム後の打ち上げめいた集まりは、廃寮前の駒場寮内で行われたと記憶している。その後、メーリングリスト上で、様々なやりとりがなされたことは、噂話で伝え聞いた。あれから二〇年……。東日本大震災の被災地である福島では、近年、緩やかなつながりに基づいた集まり(アソシエーション)が、あちこちで立ち上がっていると、朝の経済ニュース番組で知った。大上段に構えたものではない。「生きる」ために、手を取り合って、活動をしているのである。おそらく、そうした連帯が日本全国、いや世界中に生まれはじめている。それこそが「希望」なのだと信じたい。(A)