多和田葉子の〈世界劇場〉を遊ぶ

対談=多和田葉子×谷川道子

編集室から

 演劇というジャンルにおいて、戯曲の研究と、演劇表象の現場の研究を、合わせ持つような本を作りたかった、と谷川氏。この大舞台を作り上げるには、相当な情熱がいっただろう。多和田さんからは欲しいと思う原稿が、頼む前にパッと届いたというから、魔法のような意思疎通が本の制作を支えたのだろうとも思う。二冊の本の表紙は、ハイナー・ミュラーの墓前にいる多和田さんの写真。深い緑の中で、生と死がむつまじく、本を包み込む。同じビーズを用いながら一時として同じ模様を見せない万華鏡、この二冊の本も、開くたびに感じることや見えるものが、違うのだろう。(S)