歴史の知の伝達と継承のために

鼎談=成田龍一・小森陽一・戸邉秀明

編集室から

「歴史家の歴史(過去)をめぐる思索、歴史(過去)との対話の系譜の解釈」であるような史学史、戦後の思考と表現の総体に真正面から立ち向かっていく本論集には、あまりにも多様な文献が取り上げてられていて、歴史というものは叙述であり、語りであり、そこにはそれぞれの時を生きるひとりひとりの人間の生命が息づいているように感じる。第二巻第一章によれば、岩波現代文庫には「戦後知」が収められている。戦後知が現在、どう受けとめられつつあるのかを考えるためにも、岩波現代文庫をさらに読み進めたい。(T)