子どもの声を聴き、生きる力を守る

鼎談=村上靖彦・白波瀬達也・荘保共子

編集室から

 荘保さんと村上先生と白波瀬先生の言葉には、他人の話や地域の状況を受けとめるだけの確かな力と、深さと、優しさがある。荘保さんの印象的な言葉がある。「うん。だから、一生懸命、心をつかって生きてるんですよね。子どもたちはね。うん。心をつかってんですよ」。心をつかうこと、人を気づかうことは人間にとって根本的なあり方である。トラウマや否定的な感情を塗り替えることができないとしても、自分以上に自分のことを気づかってくれたという経験が、その先の人生を生きていく支えになるのではないか。そしてこの本もまた、他人に対する想像力と信頼を獲得していく拠り所になるのではないか。そう強く感じる。お話を伺えたことに心からお礼を申し上げます。(T)