苛厳な未来で生を慈しむしるべ

平野啓一郎インタビュー

編集室から

 私も平野さんと同じくロスジェネ世代だが、子どもの頃すりこまれた「未来」という言葉にはまだ明るさがあった。いまの子たちは「未来」という言葉にどんなイメージをもっているだろう…。『本心』に描かれた未来は具体的で現実的で過酷だ。七〇歳の母がパワードスーツをつけて旅館の重労働をしているという一文。これが私の未来か。コロナ禍で価値観が変わったといわれる。一方でより目先のことしか見えなくなった感覚もある。未来を想うことはいまを考えることだと、改めて教えられた。(S)