ハイデガー哲学の多面性を知る

鼎談=高田珠樹・秋富克哉・古荘真敬

編集室から

「存在の意味」は何か、「時間」とはどういうことか、「不安」や「死」、「ひと」や「本来の自分」とはどういうものか。本質的なことをどこまでも深く問い、探究しつづけた哲学者は、現在の世界の事態をどのようにみるだろうか。「存在を問うことは、必ずや、われわれの世界内存在を貫く諸々の根本事象に即した多面的な考察へと具体的に展開されるべき」だと古荘さんは本事典で明確に述べている。

 本事典の「テーマ編」を通読するだけで、ハイデガーの思考の展開とその影響の多様さがうかがい知れる。ハイデガーのドイツ語の成り立ちや彩りを伝える日本語の訳語を工夫してこられた訳者の方々、本事典の執筆、編集、刊行に尽力された方々に心からの敬意と感謝の意を表します。(T)