継承されるシスターフッドの灯

柚木麻子インタビュー

編集室から

 インタビューでもお伺いしたが、徳冨蘆花や有島武郎と道先生が文学観について口論する場面は、特に印象深かった。評価される作品にほとんど必須で描かれる、女性やマイノリティの犠牲。それは作品の価値を高めるうえで必用だと言われると、つい同意しそうになる。だが、柚木さんは、〈犠牲の上に成り立つ作品〉を面白いと評価する基準がそもそもおかしいのだと、断言する。薄々感じていた違和感に言葉が与えられ、ハッとした。

 篤姫にはじまり、津田梅子と大山捨松、河井道と一色ゆり、村岡花子と柳原白蓮、平塚らいてうに青山菊栄ら『青鞜』メンバー。挙げると切りがないほど、たくさんの素晴らしい女性たちが、『らんたん』には登場する。疲労感を覚えるジェンダー問題が日々、どこかで起きている日本にも、素敵な味方が数多くいた。そう思うと、あたたかい気持ちになると同時に、力が湧いてくる。間違いなく、読んで元気になれる大河小説である。(N)