多種とコ・デザインする未来
マルチスピーシーズの社会実装

対談=奥野克巳×近藤祉秋×川地真史

編集室から

 日曜日の午後に行われた鼎談はとても楽しかった。世界を知ることの喜び、思考することの意味、フィクションが単なるなぐさみではないこと、人文学が実学と手をとる瞬間。会議室で、様々な未来の種が蒔かれていた。聞いているだけでワクワクして、いままで見聞きしてきたものへの感じ方や角度が変わっていく。興奮したのか、深夜変な時間に目が覚めてしまい、残したメモには〈宮沢賢治「なめとこ山の熊」、鴻池朋子『ハンターギャザラー』、村田沙耶香『地球星人』「生命式」、「夕鶴」、角幡唯介『極夜行』、松谷みよ子「龍の子太郎」〉と書いてあった。鼎談のあと、近藤さんによる川地さんのインタビューが急遽行われ、こちらは以文社のWEBに掲載予定という。雑誌『WIRED』の新刊や、奥野さんの『絡まり合う生命』も出たばかり。私なりのマルチスピーシーズは続きそうだ。(S)