日本社会の下流化を防ぐ政策を

三浦展インタビュー

編集室から

 日本社会では中流という言葉の中身が変容し、中流意識も希薄になりつつある。本書のアンケート調査は、年齢ごとの階層意識、政治評価、金銭感覚や人生観を浮かび上がらせていく。とくに気になったのが、二〇代から三〇代の「年収四〇〇万円台までの階層」で生活満足度が上昇していることである。本書の分析から、家族や友人と一緒に、ゆっくり話をしたり食事をしたりする時間が大切にされていることがわかる。日本社会に対する危機感に満ちた一冊だが、第五章で、多様な生き方を認め合い、地域に根をもって働くことの可能性と魅力が示されており、コロナ禍から何を学び、これからどう生きていくかを考える手がかりになると思う。(T)