自分を肯定して生きること

金原ひとみインタビュー

編集室から

「普通に生きてるだけなのに、どうしてこんなに苦しいんだろうな」。記事でも引用したアサヒの言葉に頷く人は、多いと思う。今の自分を肯定して生きる、たったそれだけのことがどれほど難しいか。今を生きる私たちが、誰よりもその難易度を知っている。けれど、腐女子である自分を肯定できれば。希死念慮を持つ自分を受け入れることができれば。誰かと共にありたい自分を認めることができれば、ほんの僅かでも生きづらさは解消されるのかもしれない。ページを進めるうちに、そう思い直した。

 この物語に、明確な「幸せの形」は示されない。かわりに違う世界を生きる各々が、傷つきながらも呼吸しやすい場所を求める姿が描かれている。だからこそ、大切な人との落としどころを探している読者には、助けにもなり、最適な〈物差し〉にもなると信じている。(N)