社会全体を巻き込む労働運動

対談=今野晴貴・廣瀬純

編集室から

 労働者のための制度があってもそれを使うことをためらわせる、また労使関係を敵対関係とするような現実の構造がある。本書によれば、仕事の価値がその「内容」ではなく、「労働者が甘受する苦痛や自己犠牲」の度合いによって計られるという慣習がある。「自己を隷属させる力」(『賃労働と資本』)や社会構造とどう向き合い、働いていけばいいのか。労働相談の活動をベースに、同時代への応答と理論的な考察を続ける今野さんの言葉はとても貴重だ。廣瀬さんの周到な読解から、仕事は人間の手によって、人と人との関係のなかで生み出されているということを教えられる。本書を読むことで、社会構造と労働運動について理解を深め、日々の仕事を冷静にとらえ直すことができる。(T)