想像力の子供が読む神経症としての文学

対談=澤田直・菅谷憲興

編集室から

編集室から  サルトルの生き方や知的なセンスは圧倒的な魅力を放っているけれども、『家の馬鹿息子』の巨大さはどこか読者を突き放すところがある。現実世界を否定し、それ自体が目的であるような「絶対芸術」も、もうひとつの「現実」を作り出しいままでの知覚や認識を揺さぶるとしたら、それはひとつのアンガジュマンになるはずである。あらかじめ挫折が運命づけられているとしても、その探究の過程そのものは私たちの生を豊饒化する。貴重な機会にご一緒させていただいた先生方に心から感謝します。(T)