仕事の神様大事典 儲かっている社長はなぜ神社に行くのか?
著 者:瀧音能之
出版社:宝島社
ISBN13:978-4299003089

仕事への考え方と取り組み方

図書館発!こんな本が面白い【書評提供:図書館流通センター(TRC)】

佐藤 幸司 / TRC 東日本支社 営業部
週刊読書人2020年6月5日(3342)号


この本を見かけたのは、ちょうど新型コロナウイルスの影響で東京都知事から外出自粛が話され始めた時だった。  副題がちょっといやらしい気もするが、新年の仕事始めで、神田明神に大勢のビジネスマンが訪れる画は見たことがある。仕事と神社、そこに繋がる部分は何だろうか。また、近年になってから御朱印帳を持ち歩き、神社の参拝をするようになったが、祀られている神様までは知らないことが多い。そういった知識がほぼないに等しかったため、知識を得るために手に取ってみた。  開くと、大事典のタイトル通り、神社の紹介と、そこに祀られている神様のことが記されている。八百万の神々という言葉がある通り、なるほど多くの神様が全国の神社には祀られているようだ。  その中で、働くことについて、日本と欧米等の違いが記されている部分が気になった。日本神話では「仕事は神から与えられた恵み」と描かれており、日本人が真面目で勤勉というイメージはそこから来ているという。あくまで一説であるにしても、神棚が職場にある風景も見られるので、その辺りは説得力がありそうだ。  一方で、『旧約聖書』では労働は罰と描かれているということで、欧米等ではイメージが真逆とのことだ。これは知識がないだけかもしれないが、職場に小さな教会がある、というのは確かになさそうである。ただ、当然のことではあるが、一冊の本ですべてを知ることは難しい。ひとつの角度から見た場合、前述のような見え方もするということだろう。  なぜ働くことについて気になったかと言えば、新型コロナウイルスという世界規模の未曽有の危機の中で、日本中が仕事のやり方等について考える必要が出てきたということがある。  もちろん、外的要因があったからであるが、会社に出社して、所定の勤務時間働き、時間になれば帰路につく、という光景が最近は社会全体で減った。一方で、変わらず電車に乗り仕事をする方たちもいる。事情はそれぞれあるのでその点について細かく言及できないが、通勤電車が空いているのは明らかな変化である。  最近は働き方改革という言葉を様々なところで聞く。いまのテレワーク等で今までと変わらず仕事が行えている業種については、事態が収束した後にどうしていくのかを考えていく必要もあると感じる。仕事の移り変わりは時代による影響が大きいと考えているが、ひとつの分岐点に立っている気がしている。  そんなことを考えながら、本を読み終えた今は、事態が収束したら自分の仕事に関係する神社に参拝しようと思っている。そして、古事記や日本書紀をしっかり読んでみようと図書館ホームページを覗いているのであった。