冤罪白書2019
著 者:『冤罪白書』編集委員会
出版社:燦燈出版
ISBN13:978-4-9911077-0-2

冤罪事件の最新状況

図書館発!こんな本が面白い【書評提供:図書館流通センター(TRC)】

辻和人 / TRC 仕入部
週刊読書人2020年4月3日号(3334号)


本書は「2018年から2019年9月までの間に何らかの動きのあった再審事件、冤罪事件を取扱い、そこに見られる論点・課題を明らかにする」意図で作られている。扱われているのは、狭山事件(1963年)、三鷹事件(1949年)、福井女子中学生殺人事件(1986年)、和歌山カレー事件(1998年)などの20件。各々の事件について4ページ程の分量で、事件の概要、確定判決の問題点、再審の争点、課題と展望が記され、最新の状況を把握することができるようになっている。報道の頻度が少なくなったものもあるが、いずれも現在闘われている事件であり、判決は出たけれど進行中であると言える。当事者・家族・支援者の語りを伝える章では、その訴えの生々しさに思わず心を打たれる。法の専門家やジャーナリストによる論考やコラム、座談会も充実しており、弁護団の異議申立書等の資料も添えられている。罪は償われなければならないが、無実の罪を着せられたのであれば晴らさなければならない。日本の冤罪事件の全体像を知る上で、貴重な一冊となるに違いない。