平成16(2004)年
2月11日 吉野家が牛丼販売休止へ。
BSE問題で米国産牛肉の輸入が禁止されたため。牛丼から豚丼へ。
知識ゼロからの天気予報学入門
著 者:天達武史
出版社:幻冬舎
ISBN13:978-4344901797
知識ゼロからの天気予報学入門
図書館員のおすすめ本(日本図書館協会)
週刊読書人2019年9月20日号(3307号)
朝は天気を気にして出勤する。雨が降るなら傘が必要となる。暑ければ涼しい服を選ぶ。あまり雪が降らない地域に雪が降れば,公共交通が止まりパニックとなる。局地的な豪雨は水害リスクを高め,自分で判断して避難しなければ危険である。天気は身近で生死に関わる重要な問題である。
毎日見ている天気予報だが,使われている言葉の意味を本当に知っているかと言われれば,知っているつもりになっているのは,私だけではないだろう。普段から聞いている言葉だけに,いまさら人に尋ねるのは恥ずかしく,答えを教えてくれる人も周囲にはいなそうである。
例えば,天気予報の「数日」という言葉。『日本国語大辞典』(JapanKnowledge Personal 2017.09.09採録)には,「数個」について,「三~四個,五~六個ぐらいの個数をばくぜんという語」と記されている。3と6では倍なので釈然としない。それでも,この本を読めば,天気予報の「数日」が,今日を含めた4~5日を指すことがわかる。その他にも,「しばらく」は2~3日以上で1週間以内の期間を指し,「明け方」は午前3時から午前6時までの時間帯を指すそうである。天気予報で使う言葉は,混乱しないように,きちんと定義されているのである。
この本の内容は,気象予報士の試験を受けるには,少し物足りないかもしれない。しかし,天気予報を理解するには十分である。この本があれば,天気について,小学生の素朴な疑問に答えるのに困ることはないだろう。
おそらく天候により発注量を調整しなければならないファミリーレストラン食材発注担当だった天達氏の実用的感覚があったからこそ,この知識ゼロからの天気予報入門書が生まれたのだろう。お天気本を持つなら,日常生活に役立つこの1冊を薦める。