中学受験 大学付属校 合格バイブル
著 者:野田英夫
出版社:ダイヤモンド社
ISBN13:978-4-478-11092-8

中学受験 大学付属校 合格バイブル

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週刊読書人2020年7月24日号(3349号)


自分の子どもはどのように成長していくのか――。子を持つ親ならば誰もが心配し、その一方で最大の楽しみの一つでもある。その際に、どのような学校に入学させるべきかを考える親も多いだろう。
 
近年、中学受験をする小学生が増加傾向にあり、なかでも早慶・GMARCH・関関同立といった大学の付属中学の人気が急上昇している。その背景には大学入試制度の変更や大学定員の厳格化を受け、難関私立大学にほぼ確実に入学できる大学付属校を選ぶ親が増えているという理由があげられる。
 
一口に中学受験といっても、大学付属校=進学校というわけではない。この点を勘違いしている親が多いと著者は指摘する。両者は出題傾向が違うため、対策も大きく異なるのだ。
 
著者は早慶中学合格率12年連続ナンバー1の「早慶維新塾」の塾長。驚くべき実績を持ち、大学付属校の入試問題を知り尽くした著者だからこそ書ける、「大学付属校に特化した受験対策書」が本書となる。頑張って勉強している子どもに対して親はどのように接すればよいのか、或いはどのようにサポートすれば子どものやる気を引き出せるのかを指南し、また志望校を決める際や面接にのぞむ際の注意点なども解説する。受験は子どもだけの問題ではないのだ。
 
中学受験を考えている親はもちろんのこと、中学生未満の子を持つ親が子どもの将来を考える際には一つの指針になるであろう一冊。巻末の「学校紹介&傾向分析完璧ファイル」では首都圏・関西の大学付属校40校の特徴と入試問題傾向が分析されている。