プラスチック・フリー生活  今すぐできる小さな革命
著 者:シャンタル・プラモンドン、ジェイ・シンハ
出版社:NHK出版
ISBN13:978-4-14-081778-0

プラスチック・フリー生活 今すぐできる小さな革命

図書館員のおすすめ本(日本図書館協会)

杉山和芳 / 東京都立南多摩中等教育学校図書館
週刊読書人2020年8月14日号(3352号)


 2019年6月末に大阪で開かれたG20サミットで,最も重要な議題の一つになったのがプラスチックごみ問題であった。この会議で取り上げられたことで,それまで広く知られていなかったこの問題が脚光を浴びることになった。
 とはいえ,この問題自体は以前から指摘されていた。『プラスチックスープの海』(チャールズ・モア,カッサンドラ・フィリップス著 海輪由香子訳 NHK出版)が2012年に出版され話題となったことは記憶に新しい。この本で初めて太平洋に巨大なごみベルトが存在していることやマイクロプラスチックが海洋に広く拡散し,生物の食物連鎖にまで入り込んでいることなどの問題を知った人も多いことだろう。その当時から指摘されていたことが,ようやく世界的な問題として取り上げられるようになったと言える。
 このように,世界的な環境問題となりつつあるこの問題に対し,私たちにどのようなことをできるのかを考えるためのヒントを与えてくれるのが,今回紹介する本である。
 実際,私たちの周りを見てみると,プラスチックを使っていない製品を見つけるのが難しいくらい生活にプラスチック製品が浸透している。それらの便利な製品も,使用後はごみとなって大量に環境に流出している。すでに環境に流出しているごみを回収するのが難しいことからも,今後は新たなごみを流出させないことが求められている。
 この本では極端なまでにプラスチックを使わない生活が紹介されている。これらを全て実行するのは難しいだろう。しかし,紹介されているアクションの一つを実行するだけでも,これからの環境に与える負荷を減らすことができる。「プラスチックの沈黙の春」を止めるために,一人ひとりが実行していく必要がある問題なのだ。