本書には、都市部に生息する動植物が環境に順応した進化をとげており、都市ならではの生物多様性が展開されている数々の研究が紹介されている。著者はオランダの進化生物学者、生態学者。図書中では自らを都市生態学者とも呼んでいる。来日して仙台市にも滞在したことがあり、前述のカラスのクルミ割りを観察したいと袋いっぱいのクルミを用意し、わくわくしながらチャンスをうかがったそうだ。ちなみに原著のタイトルは「Darwin comes to town」。ダーウィンが(町に)来た!なのだが、日本向けに書かれたものではないので、これが日本で出版されたのは運命的な出会いだったのだろう。訳者あとがきも熱かった。