だもんで豊橋が好きって 言っとるじゃん!(1)
著 者:佐野妙
出版社:竹書房(BAMBOO COMICS)
ISBN13:9784801968776

だもんで豊橋が好きって 言っとるじゃん!(1)

図書館員のおすすめ本(日本図書館協会)

小川訓代 / まちなか図書館開館準備室(豊橋市)
週刊読書人2021年1月15日号(3373号)


 知り合いから「豊橋ってどんなところなの?」と聞かれたら「この本,読んでみりん(読んでみて)」と私は答えるだろう。

 本書は,愛知県豊橋市の高校への入学を機に県外から引っ越してきた少女が,新しい土地での生活に戸惑いながらも,学校の先輩や同級生たちと交流するうちに,豊橋や三河地方の独特な言葉や食べ物などについての知識を広げていくというストーリーの四コマ漫画である。

 作者は豊橋生まれ,豊橋育ち,豊橋在住の漫画家。地元の人々の日常生活に溶け込んだ「あるある話」を,豆知識とともにコミカルに描いている。

 主人公の部活の先輩に,とにかく「豊橋推し」で地元のことにやたらと詳しく,郷土愛と三河弁が強めのキャラクターが登場する。その知識量とプレゼン力と熱意は,豊橋市のPR大使になってもおかしくないくらいだ。

 女子高校生たちがおもな登場人物のためか,食べ物に関するエピソードが多い。「ブラックサンダー」「ピレーネ」「うずらの卵」「あんかけスパ」「たまり醤油」「モーニング」など,豊橋で暮らしている人には馴染み深いものばかりが取り上げられている。

 地元の人かそうでないかは,ある場所の呼び方でわかってしまうことがないだろうか。豊橋の場合は「西駅」と「なんじゃす」が筆頭格だ。「西駅は駅のことでしょう?」と思われる方が多いと想像するが,実は違うのだ。これらのキーワードが何を指しているのか気になった方は,本書を読んでみてほしい。

 2021年1月現在も連載を続けている『だもんで豊橋』。次はどんな「豊橋・三河地方のあるある話」が展開されるのか,続刊を楽しみに待ちたい。