冤罪白書2020 Vol.2
著 者:『冤罪白書』編集委員会(編)
出版社:燦燈出版
ISBN13:978-4-9911077-1-9

「獄友」が語る真実

図書館発!こんな本が面白い【書評提供:図書館流通センター(TRC)】

辻和人 / TRC仕入部
週刊読書人2021年5月7日号


 冤罪事件の最前線をレポートする『冤罪白書』の第2号。

 まず、コロナ禍は裁判にも影響を与えたようだ。座談会において、コロナで公判期日が延びることがあり、拘留取消しはできないのかという問題提起がなされている。マスクをするために証人の表情が見えないことの不満も述べられ、なるほどと思った。

 2020年度の大きなトピックスの一つが湖東記念病院事件で、入院患者の人工呼吸器を外した疑いで起訴された被告が無罪を勝ち取る経緯が詳しく綴られている。事実の判定というものはここまで厳格に行っていくのかと、その論理の詰めに感銘を受けた。再審無罪を勝ち取った者同士の対談では、拘留中の心情や生活が生々しく語られていて息を飲む。裁判官は深い交流を重ねていた二人を「獄友(ごくとも)」と呼んだそうだ。

 あずみの里事件も大きく扱われている。その他、係争中の諸事件、戦後の著名冤罪事件の振り返りなど、今回も盛り沢山の充実した内容になっている。無実の罪を着せられた方々が一日も早く潔白を証明できることを祈るばかりだ。