読まずにわかる こあら式英語のニュアンス図鑑
著 者:こあらの学校 著
出版社:KADOKAWA
ISBN13:9784046045683

読まずにわかる こあら式英語のニュアンス図鑑

図書館員のおすすめ本(日本図書館協会)

森谷美弥子 / 神奈川県立横浜緑園高等学校
週刊読書人2021年9月10日号(3406号)


 かわいいコアラのイラストが目を引く1冊だが,かわいいだけの本ではない。この本には『今』がギュッと詰まっている。

 まず,タイトルだが,「本は読むもの」という固定観念を最初に壊してくれる。「絵や図でわかる」とうたったものはよくあるが,「読まずに」とまで言い切るものはほとんどなかった。それほど,「見ればわかる」ように工夫されている。

 具体的には,似たような意味を持つ英単語の使い分けの方法などのテーマを,見開き2ページでメインキャラクターのコアラがカラーイラストや表を上手に使って説明している。

 例えば,推量を表す助動詞(must/may/mightなど8単語)の違いを表現するのに,はっきりコアラである(be)状態が,少しぼんやり(must),大分ぼんやり(may)と変化し,最終的にはコアラではなく(not)カンガルーになる過程を示すイラストと,それぞれの単語が持つ「可能性の度合い」をmustなら99%,mayなら50%などのように表している。見れば一目瞭然なので,ぜひ手に取ってもらいたい。

 なお,本書はもともと,オーストラリア在住の会社員である著者がTwitterやInstagramで発信している「英語をわかりやすく学べるイラスト」が話題になって出版された。そのため例にあげた図の元も今現在インターネット上で見ることができるし,最近はこの本の解説動画もYouTubeで配信されている。また,発行の際には,クラウドファンディングを活用して,学校等にこの本をプレゼントする企画もあった。

 まさに,インターネットの活用が当たり前になった時代の本なのである。

 とは言うものの,実際の利用者である高校生には「とってもかわいくて,わかりやすい英語の本だよ」とシンプルにこの本の面白さを伝えたい。